「経営者の思いは社員には伝わらない、その訳は!?」
~ユニクロに見る価格アピール販促の事例から
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先日ユニクロ創業60周年の消費者還元セールが始まり、
6時から展開されたセールでは、どの店にも行列ができました。
その時、先着100人に「牛乳」と「あんパン」が配布されたことは皆さんご存知だと思います。
メディアでは、「さすがユニクロ、この強さは「特別ではないことへのこだわり」である」とまで語っていました。
今不況の最中、ユニクロは確かに顧客の支持を得ています。
が、社員は本当に幸せなのでしょうか?
経営トップ、つまり経営者である柳井氏は、
毎日新聞のKiReI NEWSの中で「どうすればこの不景気を乗り越えられるのか?」という問いに対して、
「売れないのは景気が悪いせいだとか、天候不順のせいだとか、そんなのは関係ない。
不景気だって生き残らなければならないんですよ。
だったら、万年不況であるとか、自分たちは斜陽産業であるとか、
そうした前提で、どうすべきかを考えなければ」と答えていました。
つまり、生き残る為に、「あんパンと牛乳を配給した??」
柳井氏は会社が生き残らなければ、社員に給料を払えないと考えたのかもしれません。
が、ファッションを大量加工し、低価格路線を踏襲するユニクロには、
本来ファッション業界がアピールする非日常感という選択肢がなかったから、あんパンや牛乳を配ったとしか
思えないのです。
社員が幸せな会社は、経営者の思いが末端の現場社員まで伝わっています。
ユニクロで働く社員は、「なぜ、あんパンと牛乳を並んでいる人に配るのか?」
トップの思いに共感し、それらを配給したでしょうか?
実はここ(あんパンと牛乳(妙にこれにこだわりますが(笑))がポイントなのです。
価格の安さとその価値をアピールすることは悪くはありません。
しかし、この手法において最も難しいことは、
社員が価格の安さを売りにしている会社を誇りに思えるか?なのです。
もしその会社に価格を安くして販売する“大儀”があり、
それが現場にまで伝わっていたとすれば、社員はその会社で働くことに“幸せ”を感じます。
それであればたとえ、800円台の商品を購入しても、お客さんは、お得感より幸福感を感じるでしょう。
そしてそれは価格が要因ではない、口コミを起こし始めます。
今、時代が欲する“お得感”をアピールして、
顧客に“幸福感”を感じてもらうには、顧客に直接接する社員が
“なぜ、あんパンと牛乳を配るのか?”
そこに経営者が発信する“大儀”がなければ、
社員は、それを単なるメディア向けのPR活動としか受け取らす、働く“幸せ”とは程遠いものとなります。
“お得感”をアピールして、それを“幸福感”に変えるには、
経営者が次に挙げる3つのプロセスを踏み、社員が幸せを感じる会社へとカジ取りする必要があります。
社員が幸せを感じる会社へとカジ取りする3つのプロセスとは、
・ なぜ社員が苦しんでいるのか?経営者が社員の気持ちを分かち合う
・ なぜ経営者の夢が社員にプレッシャーを与えるのか?理解する
・ なぜ経営者のやりたい事に社員が協力してくれないのか?共感する ことです。
現在コンサルティングをしているある会社で、つぎのような事例がありました。
それは、経営者が新しいビジネスアイデアを社員に伝え、
売上げを伸ばそうと話せば話すほど、社員はやる気がなくなるというものでした。
もしこれで売上げが上がれば、給料がアップするにも関わらず
“なぜ社員のやる気がなくなるのでしょうか?”
その理由は、経営者が社員を評価し、
それが社員の給料に連動するので、
社員は常に経営者よりも劣勢に立たされているからなのです。
社員が経営者の持つ夢に共感する会社では、
そこで働く人が幸せを感じ、その才能を十二分に発揮できるのです。
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