ビジネスモデル(利益を生み出す仕組み)
投稿日 2009/02/01
「ユニクロから見えてくる不況に顧客を魅了するビジネスモデル」
~ユニクロが分かれば、あなたの立つ位置が見えてくる
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ある百貨店業界の方々とお話すると「ユニクロ」の快進撃が話題に上りました。
ユニクロは、発熱素材を使った肌着やフリース、ダウンジャケットなどの
冬物衣料の販売が好調だったため2008年度11月の業績が既存店前年比32.2%アップとなり、過去最高を記録しました。
ユニクロのビジネスモデルとは、
どの企業よりも先にヒット商品を世に送り、
競争相手がいないうちに、大量に売りさばいてしまうというものです。
この手法は医薬メーカーが、
新薬の特許が切れるまでに利益を確定するビジネスモデルとよく似ています。
ユニクロは、自社の強さである
機能性やデザイン、値ごろ感を売りにしていることに間違いはないのですが、
もし、肝心のヒット商品と売りさばきがうまくいかなければ、
利益を生み出す屋台骨がぐらついてしまうという危険性ももっています。
ではこのビジネスモデルが継続的に利益を生み出すものなのか?
というと、答えは「NO」です。
なぜなら、ユニクロは「ブランド」の定義を満たしていないからです。
ブランドの定義とは次に挙げる3つです。
1. 高くても買ってくれる
2. 宣伝してくれる
3. リピートが起こる
では質問です。
皆さんは、次のうちどの企業がブランドになっていると思うでしょうか?
・ユニクロ
・無印
・ZARA
・ルイヴィトン
・アバクロ
・H&M
これら3つに照らし合わせるとユニクロは、
3のリピートが起こるという項目は該当しますが、
1と2の項目には該当しないようです。
もしユニクロが高かったら、お客さんはユニクロから買おうと思うでしょうか?
ユニクロで買った商品を、お客さんは高くても価値があると宣伝してくれるでしょうか?
実はユニクロの弱さとは、ヒット商品という強さを頼みの綱にしてしまっているビジネスモデルそのものなのです。
今のように物が余っている時代で、
ヒット商品を頻繁に生み出すというのは至難の業です。
不況下でも成功しているユニクロを
継続的に利益を生み出すというビジネスモデルから見ると分かることは、
ヒット商品に頼ることで利益を生み出すことの難しさです。
ではどうすれば不況でもヒット商品に頼らなくてよい
ビジネスモデルを構築できるのか?
その事例は、昨年マグマグで解説したアーバンアウトフィッターズやアバクロ、そしてH&Mの成功法則にあります。
不況といいながらも21世紀のお客さんは、
安いだけのものには手を出さず、意味あるものにお金を使おうと思っています。
あなたが提供する商品やサービスを意味あるものに必要な条件とは、あなたが提供したいお客さんを明確にすることです。
それさえ分かれば、導入すべきビジネスモデルが特定できます。
例えば、2008年11月にオープンした西宮ガーデンズの阪急百貨店は、対象顧客を特定することで、フロアごとの商品構成にある法則を持ち込み、少し高い価格帯でも頻繁に来店したくなるという買い物パターンを生み出しています。
これからのお客さんは、
不況であっても日常的に手の届く価格で非日常を味わえる物に引き込まれます。
あなたがもし、このような商品構成を真似て、
その中にキャッシュポイントである利益率の高い商品を組み合わせれば、不況でもすぐに利益が手に入り、オンリーワンブランドを構築することも可能になるのです。
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